個人再生で失敗しないための6つのコツ

1 そもそも個人再生とは

個人再生は、債務整理手続のうちの一つです。
その目的は、債務の圧縮であり、債務者(お金を借りた人)が、
債務(借金)の支払いをしなくてすむ、ということではないことに注意が必要です。

 

個人再生には@小規模個人再生と、
A給与所得等再生の2種類があることに注意をする必要があります。
そして、債務者が申立てを行う際に、自身がどちらの個人再生に適しているのか、
それをしっかりと見極めるのが個人再生で失敗しないための第一のコツです。

 

2 小規模個人再生と給与所得等再生

東京地方裁判所の運用では、個人再生の全件について、再生委員と呼ばれる、
個人再生手続の専門家が選任されます。
そもそもこの再生委員の意見書によって、債務者の個人再生手続の開始が相当とされない限り、
個人再生手続を債務者が開始することはできません。
再生委員には、自身の債務の状況、収入の状況、
弁済の見込みなどを詳しく提出する必要があります。これが第二のポイントです。

 

(1) 小規模個人再生について

小規模個人再生の対象になるのは、将来継続的に収入を得る見込みのある個人債務者で、
無担保債権(抵当権、保証人の設定等、債務者の財産の支払や保証人による代わりの支払により、
回収することが予定されていないもの)の合計額が5000万円を超えない者です。
その収入を弁済原資(弁済のあて、ということです。)とし、
再生債権を原則3年(場合によっては最長5年)で分割とする再生計画案を作成し、
再生債権者(お金を貸している人)の決議(基本的には過半数の賛成が必要です。
この決議に賛成する債権者としては、債務者が自己破産し、
債権の回収ができなくなるよりは、ある程度の年月が掛かったり、
実際の支払額の圧縮が認められたとしても、個人再生手続によって回収する方がまし、
という考えが働いていることが多いです。)、
及び裁判所の許可を得て、これを履行(定められた計画通りに弁済を行うこと。)することで、
残った債務を免除する手続、ということになります。

 

(2) 給与所得等再生

上記の小規模個人再生が可能と判断される人のうち、
一般のサラリーマン等、将来の収入を確実かつ容易に把握できる者を対象とする手続であり、
再生債務者(個人再生の申立てをしている債務者のことです。)の収入や家族構成を基礎として、
当該再生債務者の可処分所得要件を算出し、その2年分以上の額を弁済原資に充てることを要件として、
再生債権者による決議を省略するという、手続の簡易化・合理化をはかったもの、を意味します。

 

(3) ポイントは・・・

ポイントはいかにAの給与所得等再生手続によって個人再生を行うのか、ということです。
ここで弁護士の出番、ということになります。再生委員に対して、いかに効果的な説明を行うか、
そして再生委員をいかに味方につけるか、これが第三のポイント、ということになります。

 

3 債務の圧縮に際しての注意

債務は上記の方法によって適切な額が決定され、
その額に圧縮されることになります。もっとも、これはあくまで個人再生手続であり、
自己破産ではないので、自己破産の場合よりも債務者が負担する額は当然、大きくなければいけません(第四のポイント。)。
また、住宅そのものは失いませんが、住宅ローンからは解放されるわけではありません(第五のポイント)。
つまり、債務者自身が思っていたよりも債務の圧縮幅が少ない、
という場合も十分に想定できるのが個人再生手続、ということになります。
そこで、債務整理手続において、どの手続をとるべきなのか、
弁護士に一度相談して、自身に最適な手続きを選択する、というのが第六のポイントといえるでしょう。